ICTで進化する学校とほっかいどう学の可能性
~社会につながるGIGAスクールを考える~
開催趣旨
当法人では、GIGAスクール時代の地域学習コンテンツ不足を大きな課題と考えています。PC1人1台環境が整備されても、地域学習のコンテンツがなければ、教育のDX(デジタルフォーメーション)そして、日本の未来をつくる新しい教育は成立しません。
もとより、地域学習のもっとも目指すべき姿は、人と人が直にふれあい、体験的に学ぶ場の充実です。その充実のためにもITの効果的、効率的な活用が極めて重要です。当法人は、こうした原点に立ち、第2回シンポジウムは「ICTで進化する学校とほっかいどう学の可能性」と題して「GIGAスクール構想時代の地域学習」について議論することを目的として開催しました。
プログラム
13:00 | 開会挨拶 | 理事長 新保 元康 来賓挨拶 倉内 公嘉 氏(国土交通省北海道開発局 局長) 当法人の活動について 事務局長 原 文宏 |
13:10 | 講演① | 「生産空間を維持するための学修環境の整備」 高野 伸栄 氏(北海道大学公共政策大学院 教授) |
13:30 | 講演② | 「GIGAスクール構想と地域学習の未来」 高橋 純 氏(東京学芸大学教育学部准教授) |
13:50 | 講演③ | 「NHK for School ビデオクリップの可能性」 宇治橋 祐之 氏(NHK放送文化研究所) |
14:20 | 休憩 | |
14:30 | パネルディスカッション | |
「社会+学校+ICTでつくる地域学習の未来」 ① 佐藤正寿氏(東北学院大学教授) ② 朝倉一民氏(札幌市立発寒南小学校 教頭) ③ 高橋純氏(東京学芸大学教育学部准教授) ④ 高野伸栄氏(北海道大学公共政策大学院 教授) ⑤ 宇治橋祐之氏(NHK放送文化研究所) 進行 新保元康 |
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15:30 | 閉会 |
開催概要
実施日時 | 令和2年11月21日(土) |
実施場所 | TKP札幌ビジネスセンター赤れんが前 はまなす |
主催 | 特定非営利活動法人ほっかいどう学推進フォーラム |
後援 | 国土交通省北海道開発局 北海道教育委員会 札幌市教育委員会 |
令和2年11月21日「第2回ほっかいどう学シンポジウム」が開催されました。新型コロナウィルス感染症拡大防止のため、今回は会場参加者のほかに、オンライン配信を併用して開催しました。約130(オンライン参加者含む)の皆さまにご参加いただき、GIGAスクール時代の地域学習について、展望や課題が共有される機会となりました。
来賓挨拶は、北海道開発局長 倉内氏より北海道開発の歴史に触れながら、ほっかいどう学の取り組みを通じて北海道に対する愛着や誇りを醸成していくことの重要性が示され、本法人の設立趣旨が広く共有されることとなりました。
高野氏(北海道大学公共政策大学院 教授)の講演は、「生産空間を維持するための学修環境の整備」と題して、人口減少が子どもの教育環境に与える影響について指摘がなされ、そうした状況を改善し、北海道の強みである生産空間の基盤を維持し強化していくためには、生産空間と中心都市をつなぐインフラ整備に加え、効果的なICTネットワークの活用が求められるとの指摘がされました。
髙橋氏(東京学芸大学教育学部准教授)からは、「GIGAスクール構想と地域学習の未来」と題して、地域学習は、地域を知る、発信する、人・物を地域に引き込むという3つを日常に溶け込ませながら継続することが大事であり、そこにGIGAスクール構想が生きてくるとの考えが示されました。制度やマインドの壁などはあるものの、前の世界に戻るのではなく、新しい発想で柔軟に考えていくことが必要である。地域学習を日常に溶け込ませるために、子どもも指導者も無理をせず、少しずつでもよいので、挑戦者としてまずはやってみることが大事である、といった提言がなされました。
宇治橋氏(NHK放送文化研究所)からは、地域学習に活用できるデジタルコンテンツの紹介やそれらの教育現場での活用状況などをご紹介いただきました。また、地域学習に取り組む際には、「課題発見」と「課題解決」を両方で示すことの重要性や、映像教材を利用した学校と社会の連携の可能性が示されました。
パネルディスカッションは、「社会+学校+ICTでつくる地域学習の未来」と題して、講演者に加え佐藤氏(東北学院大学教授)、朝倉氏(札幌市立発寒南小学校 教頭)にもご登壇いただき、地域学習の未来について討議が行われました。会場参加者、オンライン参加者からの質疑によって、GIGAスクール構想下において、地域学習が学校と地域をつなぐ鍵となることや、その際の指導者の役わりなどが広く共有され理解が深まるものとなりました。