雪プロミニ授業案
「雪国の暮らし 昔むかし(1) 造材の仕事」
(授業の概要)
 ・明治〜昭和初期にかけて,北海道の各地の森林の中では造材の仕事が行われていました。
 ・造材は,冬から雪解けまでの期間に行われました。これは,雪と寒さを生かした雪国ならではの智恵がこめられた仕事でした。
 ・この学習の後,雪たんけん館の中をいろいろ見たり,「昔の仕事をもっと調べよう」などの課題で調べ学習につなげることができます。
 ・北海道開拓の村に協力していただいた授業です。開拓の村見学と合わせた単元構成案もあります。
→単元構成案はこちら
・授業用の画像を見たい方はこちらをクリックして下さい。
■写真1を提示
北海道開拓の村に復元されている建物です。昔,北海道の森林の中には,このような建物が 建てられて,ある仕事をする人たちが寝泊まりしていました。その仕事とは何でしょう。
・狩りをする。
・炭を焼く。
・木を切る。
では,戸を開けて中に入ってみましょう。どんな仕事か,ヒントになる道具が置いてありますよ。見つけられるかな。
■写真2,3,4をゆっくり順番に提示。
・分かった,斧がある。
・木こりの仕事だ。
斧が見えますね。その通りです。
昔,各地の森の奥にこのような小屋を建て,木を切る仕事, 造材をしていたのです。
■写真5を提示。(写真2と同じ写真である)
 
ところでこの小屋は,実は一年のうちある季節しか使われませんでした。木を切る仕事をし
  たその季節とは,春・夏・秋・冬のいつでしょうか。 
■ノートに書かせ,挙手で人数を調べる。それから理由を話し合う。
 ・夏は仕事がしやすい。冬は寒くて仕事にならないのでは。
 ・冬は雪があるから,木を山から滑らせることができそうだ。
 ・写真を見ると,下にいろりがある。だから寒い季節じゃないか。
 ・それに,いろりの上に何か干してあるよ。雪でぬれたのでは。
(教師の基礎知識)
造材は冬から春先にかけての仕事でした。次のようなメリットがあったからです。
1. 雪が積もると,切った木を運び出しやすくなる。(運搬)
2. 夏は切った木を置いておくとカビや虫(あるいは虫の卵)などがつきやすく,木が傷む。寒い冬はその心配がない。
3. 切った木が倒れる時,雪がクッションになり木が痛みにくい。
4. 夏は下草が生えて山の奥に行くのが大変。雪が積もり葉も落ちれば,夏には行けないような山奥まで入ることができる。
このように,造材の仕事は厳しい寒さの中で行われたのですが,実は雪と寒さを上手に生かした仕事だったのです。
また,当時は冬山に入ったのは農民でした。冬の間仕事がなくなる農民にとっても,冬山 造材は生活上必要なことだったのでしょう。  
では,当時の写真を見てみましょう。これを見ると,季節が分かりますよ。  
■子供の発言を取り入れながら,冬から春先にかけて造材が行われた理由を説明する。
このように,北海道の昔の人たちは,雪や寒さを生かして木を切る仕事をしていたんですね。 
■この後の学習課題を作って終わる。
または,「冬の寒さを生かして物を運ぶ工夫には,もっといろいろありました。例えば,冬の間だけ姿を現す『橋』があったのですよ。」と話しながら,雪たんけん館の三上あい子のサイトに入り「氷橋」を紹介する。
「氷橋」URL  http://yukipro.sap.hokkyodai.ac.jp/life/mukashi03_06.html