お話を聞く(121秒:710kb)

 ストーブも今とはずいぶん違いました。今は,部屋のすみのほうに置くことができるようになっていますが,昔は部屋の真ん中においてありました。みんなでそれを囲みました。小さな子どもがいるときには,周りにさくをつけ,ぬれた手袋やおしめを干したこともありました。近づけすぎてこげないように,気をつかいました。また,ストーブの上でよく煮物などもしました。時間をかけて煮ることができたのでお豆やおでんも調理しましたし,おいもやおもちを焼くことができました。

ルンペンストーブや貯炭式(ちょたんしき)のストーブも使いました。ルンペンストーブが私は好きでした。ストーブ部分がすっぽり取り替えられるので,途中であくを取ったり,石炭をつぎ足したりする必要がなかったからです。安いので2つ用意しておきかわりばんこに使いました。とりかえたあとさめてから,中のあくを捨て,次の日用に石炭をつめておけばいいわけです。たきつけには古い新聞を折って輪にしたものを使いました。

1つ使っている時にもう1つは休んでいるので、ルンペンストーブと言ったと記憶しています。

 石油ストーブになる前には,煙突掃除(えんとつそうじ)も月に一度位しなければなりませんでした。外でブラシに長い柄(え)がついたもので,ごしごしごしごし煙突の中のすすを落としました。風が吹くとすすが顔や着物にかかり大変でした。今は煙突掃除をする必要がないので楽になりました。

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